頭の形は発達に影響する?
最終更新: 2020年5月31日
近年の調査では、頭の形と発達との関連性が指摘されています

後頭部の成長が左右非対称に成長し変形した状態が斜頭症です。短頭症とは後頭部が扁平に成長した状態です。頭蓋骨の成長が著しい乳児期に、いつも同じ方向ばかり向いて寝ていると頭蓋骨の成長に偏りがみられるようになります。
“斜頭症は発達の遅れのハイリスクの指標” (Martiniuk et al. 2017)
斜頭症と発達の関連性についての過去の研究を見直し検討する調査が行われました。
それによると24ヶ月以下の小さなお子様に、より発達の遅れとの関連性が指摘されました。
科学的研究であっても、調査方法、統計の出し方、スポンサーの利害関係があるかどうかなどによってその質が異なります。質の高い論文5つの全てにおいて、運動発達の遅れが最も影響を受けていることが報告されていました。
今までたくさんの斜頭症のお子様を担当しましたが、経験上以下のようなことがよくみられました。
小さなお子様
♦︎授乳中の頭の位置は同じポジションしか好まない(頭がお母さんの左腕にくる姿勢など)
♦︎寝返りを片側しかしない
♦︎他の子に比べてハイハイを始めるのが遅い
♦︎片足を使わない、片手は肘をつくなど、非対称又はユニークなハイハイ
♦︎同月齢の子に比べて発達がゆっくり など
幼児から小学生のお子様
♦︎手の長さ、足の長さ、肩幅が左右で異なる
♦︎顔面が対称でない
♦︎姿勢がよくない
♦︎運動が苦手
♦︎手先が不器用 など
影響の大きさには個人差があります。発達障害が先か、斜頭症が先か、ということによっても異なります。それについては次回のブログで書きたいと思います。
頭の形と知能は必ずしも相関しません。頭の形のいびつさは、多くの場合は命に関わる問題ではありません。ただし、長期的にみた健康や生活の質に関わってくる可能性はあります。
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